太宰治と佐渡 (下)
生活者になる決意 三十路に入ったこの頃の太宰にとって、生活者になるということは大きな主題だった。上京して以来、度重なる自殺未遂や薬物中毒、生家…
太宰治と佐渡 (中)
意外性の島、佐渡 さて、太宰と小説中の「私」は厳密にいえば区別しなければならないので、後者については「私」と書くことにするが、船上の「私」は酔…
太宰治と佐渡 (上)
旅が下手な旅人 旅の仕方には人となりがあからさまにあらわれるものである。太宰治もつくづくそう考えていたようで、その最晩年に書いた文章のなかで「…
「原発爆発」映像が呼び覚ます「3.11」の実相
「原発爆発」映像の衝撃 20世紀は「映像の世紀」と呼ばれる。写真や映画、テレビは20世紀に入って偉大な発展を遂げた。21世紀に入り、これにネッ…
震災・津波の爪痕 — 7年目の被災地訪問
11月初旬東北地方の地震被害地を訪れた。今まで何度も行こうと思いながらなかなか機会を見つけられないでいたが、今回仙台で学会があったので、車で宮…
ゼンパー歌劇場とドイツ人の家族
ドレスデンといえばゼンパー歌劇場Semperoperのことを書かねばなるまい。私のドレスデン・シリーズの最後に、この有名なオペラハウスの訪問記…
ヤデガー・アジシとドレスデンの風景
ヤデガー・アジシ(Yadegar Asisi)という画家を紹介したい。ウィーンでイラン人の両親から1955年に生まれたそうだ。今ベルリンを中心…
シリーズ:北朝鮮をめぐる逆説の思考 第4回:建国70年を超えた北朝鮮という存在の意味
分岐点を超えた北朝鮮 2018年の9月9日が過ぎた。結局、北朝鮮は建国から70年を超えてしまった。ソ連でさえ69年でしかなかった。何度も言うが…