44年前の1980年8月19日、新宿駅西口京王デパート横のバス放火事件現場に私はいました。
私の22歳の誕生日で当時付き合っていた家内と西新宿地下広場を歩いていたら、地上から誰か走ってきて「火事です!」と大声で叫びながら交番に向かって駆け込んだのです。「火事か」と思った私は、長くなるなと思い家内はJR改札に見送りました。

そして見物するために地上への階段を上がりました。100mほど先の京王デパートの横でバスが燃えているのが見えました。「エンジンから出火?」とか野次馬から声が上がっていました。丁度後方は良く見えたのですが後方のエンジン部が損傷しているようには見えず、「エンジン出火ではないな」と思いました。
暫くしても火が消えないので、そのまま観ていてもしょうがないと思い、小田急線の改札口に向かいました。

放火の大事件と知ったのは、家に帰ってからです。TVで大きく報道してました。車内で焼死した人、特に最後部座席で親子連れが亡くなった事を知りました。私はあの炎の中で窓越しに人の頭の後ろ姿を3つ見た気がしました。

新宿駅西口「8月19日」

この話を書いている今、私は涙が止まらず、しばしiPADに向かうのをやめて涙が止まるのを待ちました。私は他にも新婚旅行からの帰りにあった成田空港手荷物爆破事件にも遭遇しました。その時はバックヤードの爆発で悲惨な現場を見ていないので、この京王デパート前のバス放火が今でも心に深く刻まれています。