目の衰えによる運転リスクと「アイサイト」

2024年8月17日土曜日、経堂駅の南の世田谷通り沿いにあるスバル販売店で、赤い4WD「クロストレック」を注文しました。25歳で初めて買った1500CCのカローラと同じ赤いやつ。営業には「赤田さんだから赤ですか！」と言われたけど、そうじゃないんです。赤いのが好きなんです。所長も営業も非常に良い人で気に入りました。
10月中には納車とのこと。つまり納期2ヶ月弱。スズキの人気車「ハスラー」などは2年待ちとも言われるこのご時世で何故にこの短納期なのか。その理由を営業と所長が教えてくれました。

1)国内向け車種へのシフト
ロシアとウクライナの紛争のせいで海路がロシア近傍で封鎖されて南周りだけになり、世界的に船便不足で各社国内向け生産に力を入れている。
2)スバルのラインナップのスリム化
セダン系が無くなり、SUVにフォーカス。工場ラインが空き各車種の製造キャパが上がった。

イロイロと質問する私に対して丁寧に説明してくれる営業と所長のレベルが半端ない。これまで35年間付き合って来た土浦のトヨタの営業マン歴代2人も、人間的には好きだったがここまでの知識や会話力は無かった。これから数十年の付き合いになるので頼もしいです。
12年間乗った愛車「トヨタアベンシス」は、8月9日(金)に東名高速でバーストさせて今御殿場に保管中であり、その廃車手続きと、9中に予定している海外旅行中の代車手配(羽田までの足)もお願いしたところ、快く受けてくれました。
8月9日(金)に何があったかを書きます。例の神奈川県西部を震源とする震度5の地震の日です。その日の20時以降の出来事は既にエッセイにしました。電車が止まって線路上を駅まで歩いた話です。その前の話になります。
午前9時頃から「アベンシス」で沼津の弟の家に行ってました。長々と話して、午後3時半くらいに沼津港で浜焼きを食べた後、4時半くらいに東名高速道路を東京に向かって急いでいました。「ハスラー」への乗り換えを考えていたのでディーラーの閉店時間の午後6時までに世田谷に戻りたかったのです。でもお盆休み前で既に車の数が多く、100Kmくらいの流れに乗って運転せざるを得ない状況でした。
そのうち、あまりに刺激が無く何か考え事をしていたかもしれないです。たまに暇なので無駄な車線変更してたかもしれない。眠くなるのを避けるためです。その直前の事は記憶に無いのですが、気がつくと追い越し車線を右にはみ出そうとしてた。慌てて左にハンドル切ると凄い衝撃で一瞬何が起きたか分から無かった。そしてガガガガ言って減速したのでバーストに気付きました。縁石に横腹を打つバーストは過去に経験あるので。

そして上り橋脚上、3車線の追い越し車線の右端の車幅半分くらいの路側帯に停車させました。そこはそれほど路側帯が狭く橋の壁から縁石が張り出しており、そこに右両輪横腹を接触させたのです。急死に一生だった。110番には何度も電話をかけた事があったので、即座に110番を回しました。向こうも基地局情報で橋の辺りという事は把握したけど、それ以上はわからないようだったのでGoogle Map を使ってピンポイントで場所を伝えました。
この時に「何番ポストのそばですか？」と聞かれたけど、そんな無駄な質問はしない方が良いなと思いました。運転していて自分が東京から何番目のポストのそばにいるか何て知ってる人はゼロですよね。実際は77番ポストのそばでしたが。
そして電話を切って気づいたらiPhone SEはバッテリー切れ。最近は家にいる事が多くて気にして無かったけど、朝から沼津に行って17時くらいになると10％まで落ちるくらいにへたってたんですね。もちろん週明けには5G対応の最新SEを買いましたが。
パトカーのお兄ちゃんからは「あなたは運が良い。ここはスピードが出て橋で狭くなる事故多発地帯。激突して大破して死ぬ人もいる。車もタイヤバーストだけで済んだのは奇跡です。気をつけてください！」と怖い顔で言われた。そこまで危ないなら、標識か何か視覚的な仕組みで注意喚起すべきと思ったけど、立場上弱いので黙ってました。
「あなたのせいで足柄まで渋滞です！」とまたもや怖い顔で言われたから。彼は私の態度に苛立っていたようです。SEの電源切れてたのでパトカーや道路公団のお兄ちゃん達に携帯借りて、アクサのロードサービスのレッカーを頼もうとしたんだけど、彼らはなぜか携帯貸してくれないんですよね。何故だろ。そういうのもますます苛立たせているのは分かりました。しょうが無いので、道路公団のお兄ちゃん、この人は穏やか、に頼んで地元のレッカーでとりあえず一般道に降ろす事になりました。
その頃にはパトカーのお兄ちゃんも穏やかになり、私の冗談に軽く吹いたりして場が和んでいました。良かった良かった。下道まで私と「アベンシス」をレッカー車に運んでもらいました。レッカーのお兄さんも最初は「高速降りたら駅まで30分くらいあるけど歩いて」とか言ってたけど、例によって興味本意で彼の仕事や私生活の事などイロイロ聞く私に段々と反応してくれて、最後は小田急の新松田駅まで送ってくれました。そして私は小田急で帰路につき、愛甲石田駅の手前で地震に会いました。世田谷のスズキのディーラーも閉店の時間を過ぎていました。
人生の2大イベントが同一日2024年8月9日(金)に発生したと言う事です。
この運転ミスが「アイサイト」による半自動運転のスバルを選んだ理由です。タイヤ横腹うちバースト2回目(最初は20代)が物語るように、これまでは運動神経任せの車線変更など繰り返していました。他の車には迷惑運転。ここ数年視力の低下かハッとする場面が増え、実際ドアミラーを電柱にぶつけるなど少しやばいと思っていました。
上記のように初めはスズキの軽「ハスラー」への乗り換えを考えていました。実際にスズキのディーラーまで行ったが、お盆休みでクローズ。8月15日に成城学園で10数年ぶりに飲んだ高校同級生が、昔はホンダだったのが今はスバルファンになっていたのも偶然。60超えたら「アイサイト」という事で、私の好みを聞いて小柄なボディーの「クロストレック」を勧めてくれました。
スバルの20代の営業が家まで「クロストレック」で送ってくれました。彼がいかにして車の営業を選んだかとか、仕事のやりがいがあるかとかイロイロ話してくれました。「クロストレック」もSUVだから見た目は大きく見えるけど、「アベンシス」よりも車長で30cm、車幅で10cm小さいです。半自動運転がどういう物か、９月中旬の代車が楽しみです。
また、10月中旬納車なら10月31日の高校同期関西支部の飲みにはこいつで参加しようかと考えています。半自動運転を生かして私にとって未踏の地である島根、鳥取まで足を伸ばそうとも思っています。

そして、8月18日に御殿場から世田谷のスバルに「アベンシス」がレッカー移動されてきました。そのまま廃車をお願いしていましたが、10数年の相棒の最後を看取って写真を撮ることにしました。営業に頼んでジャッキを下して写真を撮りました。最初は気づかなかったです。タイヤのバースト部分に集中して撮影していたので。営業もニコニコして観ているだけです。で、突然私は気づきました。これは大事故と紙一重だったんだと。右の後部ドアの一部が削りとられていました。数センチずれていたら、私は今こんなエッセイ―を書いていません。
つくづく思いました。私はつきがあると。数センチの偶然、高校時代の友人と10数年ぶりに会った偶然、お盆休みでトヨタディーラーが閉まっていた偶然などです。
最低でもまだ20年は生きるつもりですが、拾われた命は大切にしようと思いました。