SNSなどの投稿を見ると、料理の写真が実に多い。みなさんほんとにグルメだったり料理自慢だったりするんだな、といつも驚く。
それならばヘソを曲げて、一つ激マズ料理を公開してみよう。

私の食生活は貧しい。コロナ禍以降ぐっと外食の機会が減り、家で自分一人のために腕を振るう意欲もない。20年近い主婦生活も、何の役にも立たなかった。
そもそも調理に30分以上かける気がしない。朝型人間なので、朝昼はともかく、夕方になるとエネルギーが枯渇してくる。酒飲んで早く寝てしまいたいが、何も食べないのも体に悪いので、仕方なく台所に立つ。そうした投げやりの結果が美味であるはずがない(そうでない天才もいるとは思いますが)。

特に先日はひどかった。そのために余ってしまった2品。
左はピーマンとじゃこを煮たもの。見た目にも汚らしくないか? 薄味にしたつもりが、煮詰めすぎて失敗。
右は生協の「冷凍ごま味噌チキン」。パサパサでしょっぱいだけ。生協やってる人は買わないように。

この他にもっとまずかったものがある。使い切った方がいい古いレタス、ちぎってみたら意外に嵩があり、サラダではきついと思ってサッと湯がいた。それだけでところどころ茶色くなり、そのまま捨てたいくらいだったが、もったいなさに負けて、薄切りにしたタマネギとマヨネーズで和えた。苦いだけだった(意地で全部食べた)。

なおこの2品は、翌朝再びオカズとして渋々登場させた。やはり捨てられない世代なので。
ところが白いごはんは偉大だった。味の濃いオカズでも、意外に抵抗なく食べられてしまった。どころか、煮すぎピーマンは佃煮のようで、なかなかイケた。
今までごはんを食べるためにオカズがあるのだと思っていたが、オカズをおいしく食べるためにごはんがあるのだと、シミジミと痛感した朝であった。

※ 晩はビール等々を飲むため、主食は食べないのです。

安倍七重
1954年東京都杉並区生まれ。都立富士高校、早稲田大学第一文学部美術史専攻卒。
そのあと何してたんだと聞かれても困ってしまう、ただのおばさんです。
寝そべって本を読むの(だけ)が至福の楽しみという、省エネ省趣味人間です。